仄暗ワイン 裸体の交わり

男とホテルに泊まる





だいたいその人は先に寝る



仕事は多忙 朝の早い仕事だ




寝息を立てるその人


風邪引かぬように捲れた布団を戻す







薄暗くシンとした部屋







彼が眠った今

私1人だけの空間





事後の余韻と体のだるさ
節々の痛みを感じながら







暗がりに光るテレビの画面を見つめる







この時の私は 少し死んでて






思い切り 生を味わっている
















いつも何かしらの映画を流す



見ているようで見ていない




酒を飲む



最近はワインが多い



白ワインを1人で飲む。







隣に誰かの温もりがあるのは
いいことだ。








たいして用もないのに

ホテルの綺麗な洗面所の鏡の前に立つ






首から胸元にかけて

赤い噛み跡がついている




たまに自分でも驚く


怪我かと思う



数時間前に自分で懇願してつけてもらったものだと思い出した






体に刻まれた赤いミミズばりに



満足感が体を蝕む









この、事後 男が先に寝て


1人で過ごす時間が


なんともいえない


夢見心地と現実の狭間という意識の中が




とても好きだ








明日には離れなければならない寂しさ





膣に感じる性行為の痕



満たされた体と




温もりを感じて満ち足りる すかすかの心






夜を生きている



人生を生きている



性を 女を 生きている


と、濃く思う





穴としての自分



女として抱かれた自分




非現実的な 性 行為












私たちに恋人らしい恋も愛も

存在しないけれど


会っている時

行為をしている時




たしかに そこに 愛みたいなモノがあって



必死に求め合い 補い合い




呼吸している












君を取り巻く忙しない日常も

苦しめる出来事も 全てを取っ払って


君を癒してあげられたら






そんな思いで

数少ない 私の理解者

愛 体 求め合える人と




時間を重ねる






一時の満ち足り

栄養補給







そして


熟し 枯れ始めた 微睡みの中


半分死んで眠る