軽蔑はさくらんぼの味
薄暗い朝 全てのものが夢の中で眼を覚ます準備をしている あなたと私は霧の濃い森の中で体を重ねる やっと鳥が一羽二羽囀り始めた 森の中はシンとし 木々達も眠っている 2人の白く透明な肌が互いを行き来する 色といえる色はその唇くらいだった
体の形に目を沿わせて
指先で触って
曲線を
美しさを感じるから
指先で触れたい
思わず触れて
噛み付いて
しゃぶり尽くす
物書きはすべてをおかずにするんだ
すきあらば すきあらば
どうやって私の言葉を食べるの?
よく噛んで あなたの液で溶かして
また口付けて
太宰を読んでいた
読むのをやめた
茶を飲むように陰部に指這わせ 自慰をした
果てて 太宰を読んだ
軽蔑はさくらんぼの味か
私は不道徳な人間かい?
太鼓の響きが煮詰まった脳を貫いて心地いい。
骨の髄まで朽ちないと書けないのか
セックスをしなければ善良な人間かい?
愛する人を持つ人間とセックスをしないのが私の道理で善なんだよ それだけだよ
いっしょに罪をおかしましょう
今夜 共犯者になろう
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