君ノイナイ世界デ僕ハ何者
もし私が死んだら君は悲しむだろうか
君の方が過酷な環境に身を置いていて
もし君が死んだら
名前のない関係の私に
知らせは来るのだろうか
きっと来ないだろう、な
来るはずのない返事をずっと待ち続けたりするのだろうか
何にでも名前をつけたがって
何にでも意味を
何にでも縛りをつけたがる人は
苦手だ
他人に興味のない君の心を
乱してみたいと思う
たとえ嫌われても
でもいつの間にか心乱されてるのは
ぼくのほうで
なんで神はこのような世界を
いや、人間がこんな世界を作ったんだ
欲にまみれた欲に負けた人間が
残忍な悪が蔓延る世界
才能を持った作家達も偉人達もみんな
いつの世も
こんな残忍な悪を知って来たのだろうか
女が見下され、身分の低い人間が奴隷のように使われるできごとを目にして耳にして
そんなできごとを知った心優しい人々は
人知れず悪に心を痛め
病んでしまったのかもしれないね
そこの公衆電話に行くと呼び鈴が鳴る
受話器の向こうから声がする
僕は同じ曜日の同じ時間
必ずそこへいく
君の声が聞きたいから
声の主が生きてるか死んでいるか
なんてぼくにはたいした問題じゃない
ただ、なんとなく
君の声を聞いて
ぼくが話しかけて
そんな時間がぼくにとっては
すこしほっとできるから
きっと来週も再来週も、その次の週も